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M&A(
Mergers and Acquisitions、(合併と買収)の略、エムアンドエー、エムエー)とは
企業の合併・
買収を総称して言う。他の企業を取得しようとする際には買収者やその子会社などに吸収合併させるほか、買収先企業の株式を買収して子会社化する手段が用いられることからおよそ企業の取得という効果に着目して合併と取得を総称するものである。
M&Aは新規事業や市場への参入、企業グループの再編、業務提携、経営が不振な企業の救済などを目的として実施される。広義には包括的な業務提携や
OEM提携なども含まれる。
日本法上の概念としては
合併・
会社分割・
株式交換・
株式移転・
株式公開買付などの法的要素が核となるがこれらの各要素は対象企業のコントロールを得る手段として捉えられ、M&Aという場合には利用する手段のデザインを含めた企業戦略を把握する概念として用いられることが多い。
◆ 概要
企業の買収合併は年々増加傾向にありその目的は様々であるが、主な目的は国内・国外における国際競争力の強化や国外進出を容易にするためなど国際的なマーケット拡大に伴う生存競争と事業拡大のために用いられる傾向があり、買収の規模も拡大傾向にある。
国内では中小企業の後継者問題などで特にM&Aが用いられている。また大型スーパーマーケット業界、コンビニエンスストア業界、銀行業、情報通信業、衣料品業界、製紙業界などで大型の事業再編・M&Aなどが盛んに行われている。
最近ではWebサイトに特化したM&A、サイトM&AもされるようになりサイトM&Aという名称で活発に行われている。
日本でM&Aというと大企業のものというイメージを持っている人が多いのだが、実際は日本のM&Aの70%は中小企業を対象にしたものといわれている[分林保弘『中小企業のためのM&A徹底活用法』]ともされる。
日本の金融が欧米と比較して、30年遅れているといわれる中、日本のM&A業界の特殊性としては、その仲介業者の多さにある。業界が黎明期であり人材が不足している事は否めないが、クライアントの立場を考えた利益相反のない片側アドバイザリーが望まれる。後継者が居ない中小企業が殆どで、M&Aの知識も無い経営者が不利なM&Aを依頼するリスクが増えている。
個人保障の回避、収益事業の貸し剥がし等々の銀行等との利益相反も今後問題になる。背景にある、金融機関の非効率さ(欧米の4分の1の効率)の犠牲になっていると言われる。会計士、弁護士の「先生」の高額な報酬も問題視される。
自動車産業の技術的転換期で、請負企業、孫請け企業の急速な入れ替えを健全なM&Aの実現で、倒産及び破産の回避、経営者のハッピーリタイアメントの実現の成否が今後のM&A業界の試金石となるに違いない。
◆動機・目的
日本の大企業のM&Aの動機として多いのは「国際競争力をつけるため」「国内市場競争力強化のため」「破綻企業再生のため」の三つ[分林保弘 p.18]ともされる。
日本の中小企業のM&Aの譲渡側の動機として多いのは「後継者問題」および「事業の将来性の不安」の二つ[分林保弘 p.23]ともされる。
日本では昭和30年代、40年代に創業した多くの
中小企業の創業経営者が後継者難
[ある大手会計事務所のクライアント企業を調査したところそのおよそ半数が後継者がいなかったという。]
脚注. その理由としては次のようなものが挙げられるという。 1.子供がいない 2.子供は大手企業で働いていて後継者となってくれない 3.子供が社内にいるものの、厳しい経済状況を考慮すると経営者には向かない 4.創業者の死により配偶者が後継者となったが、引退したい。(分林保弘『中小企業のためのM&A徹底活用法』)に直面しており、この問題の解決策として中小企業の友好的M&Aが静かな流行となっている
[分林保弘 p.26]という。非上場会社の経営者が事業の継承を考えた時、選択肢としては「親族または社員への継承」「株式上場」「清算」「M&A」という4つがありはするものの、実際は最初の2つは諸条件をクリアして実現できることは稀で、「清算・廃業」は従業員にとって最悪の選択肢で、結果としてM&Aという選択肢が浮上してくる
[分林保弘 p.29-36]という。
◆ 企業買収の基本的な仕組み
◇ 会社の所有者と経営者について
企業が株式会社等である場合、取締役などが経営者として経営の義務を負い、株主などが所有者として規定(法定又は定款で定める)されている権利を行使することにより、一定の緊張関係を存在させることで企業の統治を行う事で、適切に会社の存在意義と法令遵守が全うされると考えられている(会社法の予定する理想形)。これを所有と経営の分離と言う。具体的には、株主が株主総会において、取締役や監査人の選任、定款記載事項の変更、および株主提案(米国には制度がない)を行い、会社のコントロールを行う事等を指す。経営者の地位は、プロ野球選手と同じ委任契約であり、雇用契約ではない。また所有者の「所有」とは、狭義では法定又は定款で定められた権利行使を約束された権利である(社会通念より弱い「所有」であるのは、債権者保護と間接有限責任の両立が目的であるとされる)。
企業買収とは、一般的には買収者は現在の株主から株式を買い取って新たに株主となり、その会社の「所有」者として経営をコントロールする。株主として配当等の経済的利益を受けるメリットを享受するのが第一の目的とされる(企業のコントロール自体を目的とする場合もある)。
いわゆるオーナー企業で経営者と株主が同じ場合を除き、経営陣は株主に選任されて会社運営を任された立場に過ぎない。買収提案時点での経営陣はそれまでの株主に経営を任された者であるから、買収によって株主が変動することは自らを選任した者たちが株主でなくなることを意味する。取締役は選ばれる立場に過ぎず、本来直接株主の異動に意見を述べる立場にない反面、実際には経営者としての地位保全のためには重要な利害関係を有する出来事となる(私利的な利害)。
経営陣が買収提案に意見を述べるのが正当化されるのは、企業価値(狭義では配当と株価)が維持されるかどうかという目的について、現在の株主に対し買収提案が妥当なものかどうかについての意見を述べるときである。ごく端的に言えば自分の立場が危うくなるから反対するのではなく、株主にとって買収提案に乗ることはメリットがないからやめたほうが良いという現場からのアドバイスという位置づけにすることで取締役は買収提案に反対してもそれが私利私欲に基づくものではないということができることになる。
◇ 株式の保有割合
株式は細分化された上で複数の株主に保有されることが予定されており、通常は発行済み株式総数や各議案について行使可能な議決権を有する株式数との関係で割合的に会社の「所有権」を取得することになる。取締役の選任など通常の株式会社の議案については発行済み株式総数の過半数の議決権を有する株主の賛成で承認されること、また会社にとって重要な合併の承認・定款の変更などについては同じく3分の2以上の議決権を有する株主の賛成で承認されることから、会社の株式の保有割合については過半数を有しているかどうか、3分の2以上を有しているかどうかが会社の「所有」に関する区切りとなりうる。また、そこに至らなくても3分の1以上の議決権を有している場合には意に沿わぬ重要決議を阻止することができることとなる。
◇ 会社=会社株式の買収
買収者は株式を現在の株主からの相対取引(個別交渉)により取得することができるほか、公開会社の場合には
証券取引所などのマーケットにおいて対象企業の株式を取得することができる。ただし、特定企業の株式を一定割合以上取得するときには
大量保有報告書などの
証券取引法(金融商品取引法)上の規制を受けることとなるほか、一定の場合には
公開買い付けの方法によることが義務付けられるなどの制約が課されることとなる。公開買い付けは買収提案者が条件を公表しつつ広く一般株主から買い付けを行うものであり、それに現在の経営陣が同意する場合には上場企業の場合には
適時開示の一環としてその旨を買収先企業も公表することが必要とされることから、少なくともこの時点で買収の取り組みは公然のものとなりその枠組みがいわゆる敵対的買収なのか友好的買収なのかが明らかになる。
◆ M&Aの代表的な手法
・統合
・買収
・発行済株式の譲受
・新株の引受
◆ 一般的な友好的M&A取引の進め方
◆ M&Aの例